2007年12月02日
能の舞
歌舞伎とはこんなに異なる点があったのですね。
おもしろいです。一度巌島神社の能を見に行きたいです。
舞は能の根幹をなす要素であり、このために能は「演じる」ではなく「舞う」という動詞をもって表現されるほどである。能には、明確に舞踊的な部分(クセ、舞、キリ)とそれ以外の演劇的部分(仕草、所作としての動作をもってせられる部分)がともに存在するが、実際には後者の部分においても細かい「型」が定められ、所作は抽象的、象徴的な動作に造形されており、これもまた広義の舞踏であると見ることができる。すなわち能における「舞」の要素とは、一曲の能において身体を用いて行われる表現活動全体を指すととらえることができるだろう。
能の舞の特徴は、極端な摺り足と独特の身体の構え、そして円運動のうちにある。このうち摺り足と構えは、上記の舞踏的な部分のみならず演劇的部分においてもまた共有されている。摺り足とは、足裏を舞台面につけて踵をあげることなくすべるように歩む独特の運歩法で(特にこれをハコビと称する)、これを円滑に行うためには膝を曲げ腰を入れて重心を落とした体勢をとる必要がある。すなわちこれが「構え」であり、能役者はハコビとそれを可能にする構えによってみずからの身体を造形し、舞踏の詩的官能を描こうとする。
日本語において「舞」は主に能を中心として用いられる言葉であって、能の舞踏を「踊り」と称することはない。この問題については諸説あるが、柳田国男の論を受けた渡辺保によれば、「踊り」が飛躍や跳躍を含む語であるのに対し、「舞」は「まわる」つまり円運動を意味する語であり、そこに能の舞の特色があるとする。能における舞踏の特色は、歌舞伎やそこから発生した日本舞踏が横長の舞台において正面の客に向って舞踏を見せることを前提とするのに対して、正方形に近い舞台の上で三方からの観客を意識しながら、円を描くようにして動くことを基本としている点にある。
歌舞伎舞踏、日本舞踏と比較した場合、能の舞は、静的であり、一曲の中にはなはだしい緩急がなく、身体に極度の緊張を強いることでかたい線を出そうとする、という特色を持つ。また西欧の舞踏、バレエなどと比較した場合には、能は跳躍によって天上を志向する運動を否定し、重心をひたすら低くすることでどっしりとした重量感を出そうとする。また全体的に西欧の舞踏に比較してテンポが遅く、静的である。
以上からも分かるように、能の舞は西欧的な舞踏芸術とは相当異なったものであることはもちろん、歌舞伎舞踏、日本舞踏と比較しても異質な要素を多く持っているということができる。
引用『ウィキペディア(Wikipedia)』
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